第2回アナログゲーム研究会

研究会の概要

  • 日時:2026年9月26日(土)
  • 場所:大阪商業大学 図書館4F ネットワークレクチャールーム
  • スケジュール【講演の詳細(敬称略)】
    1. 13:00〜13:10 開会
    2. 13:10~14:00 高橋浩徳(大阪商業大学)
      「江戸時代の化物絵に見えるゲーム」
    3. 14:10~15:00 山崎有生(奈良文化財研究所)
      「近世建築の彫刻にみる遊戯 -日光東照宮と歓喜院聖天堂を事例として-」
    4. 15:10~16:00 高野保男(大阪公立大学)
      「哲学者は(どのような)ゲームのプレイヤーなのか」
    5. 16:10~17:00 間宮琴子(立命館大学)
      「アナログなプレイ実践としての雑誌購読:乙女ゲームを事例として」
    6. 17:00〜 閉会・懇親会
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講演の概要と資料

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高橋浩徳(大阪商業大学)
「江戸時代の化物絵に見えるゲーム」

化物・妖怪といった異形の存在は多くの民族に見られ、日本でも神話の時代のヤマタノオロチ、平安時代の酒 呑童子や鵺、鎌倉時代の土蜘蛛、その他、鬼や河童など枚挙にいとまがない。昨今でも漫画・アニメを中心に数 多くの妖怪ものが作られ続けている。

江戸時代には印刷技術が高度化し、浮世絵や洒落本など数多くの作品が作られたが、化物・妖怪の画像資料が 見られる。一方、ゲームはそれほど庶民の日常で数多く行われたとは限らないが、あまり表面化しなかっただけ で幅広く存在していたと考えられる。

本報告では数多くの化物・妖怪絵の中からゲームが登場するものを浮世絵、絵巻物、絵双六、尽くし絵、書籍 の媒体別に紹介する。浮世絵は江戸時代の一代娯楽芸術で、役者などの人物、風景などを中心に数多く作られた。 絵巻物は紙を横長につないだもので、通常は丸めた状態で保管し、端から広げてみる。物語や説話などを時間の 経過を表しながら描くことが多い。絵双六はサイコロを振って駒をスタートからゴールまで進める盤上遊戯であ  る。室町時代に中国大陸から伝来した階級双六が元と考えられ、当初は仏教の教えを広めるための浄土双六など 教育的なものであったが江戸時代に入って印刷技術が高まったことで、多様な題材のゲームが作られた。尽くし 絵は多くのマス目を持つ一枚物の玩具で、人物・鳥獣・道具などひとつのジャンルのものを多数描いており、教 育的な意味合いもあったと考えられる。書籍も文章を中心とした読本、絵を中心とした草草紙など数多く出版さ れた。

今回の報告では妖怪・化物を題材としたもの中からゲームが登場するものを紹介する。

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山崎有生(奈良文化財研究所)
「近世建築の彫刻にみる遊戯 -日光東照宮と歓喜院聖天堂を事例として-」

安土桃山時代以降、建築彫刻は急な発展をし、多様な題材が用いられるようになったことはよく知られている。しかし、その建築彫刻の題材の具体的内容がどのようなものであるかや、時代によってどのように変遷しているかについては、あまり関心が払われていない。よって本稿では、「遊戯」の彫刻に注目し、近世前期の事例である日光東照宮と中期の歓喜院聖天堂を比較する。まず、前者に対し、後者の方が「遊戯」の彫刻が圧倒的に多くなっている事実を確認する。ついで、歓喜院聖天堂の彫刻の「見られ方」に注目して「遊戯」の彫刻が多く用いられた背景にーついて若干の考察を行う。

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高野保男(大阪公立大学)
「哲学者は(どのような)ゲームのプレイヤーなのか」

ウィトゲンシュタインは、その後期哲学において、我々は特定の規則や制度に支配された様々な実践を言語(ジェスチャーなども含む)によって行っているということを「言語ゲーム」概念を用いて強調した。たとえば、「おはよう」と言われて「おはよう」と返す(あるいは、黙って頭を下げる)のはそうした「ゲーム」の一例といいうる。仮にそこで「その「おはよう」という言葉できみは何を指示したのか」と問い返したとすれば、それはゲームの規則を理解していないという意味で立派な「哲学的問い」だということになる。 こうした見方が「適切な言語ゲームからの逸脱こそ哲学だ」という考えを示唆する一方、哲学それ自体がひとつの「ゲーム」として成立しているか否かという論点も存在する。後期ウィトゲンシュタイン哲学を批判的に受容したリチャード・ローティは、議論を決着させる取り決めがあることを「ゲーム性」とする規定に言及したうえで、哲学は「なんでもあり」のため正当なゲームにはならないという懐疑論、哲学の議論はすべて決着に至るプロセスだとする実在論、哲学はコミュニケーションを継続させるゲームだとするプラグマティズムという3つのメタ哲学的立場があると主張した。本発表では、以上の諸見解をもとに、哲学を「ゲーム性」という観点から特徴づける試みを多角的に検討する。

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間宮琴子(立命館大学)
「アナログなプレイ実践としての雑誌購読:乙女ゲームを事例として」

本発表では、女性向けゲーム雑誌の継続的な購読を、デジタルゲームの経験を画面外で構成するアナログ なプレイ実践として捉える。具体的には、女性向けゲーム雑誌『B’s-LOG』に掲載された乙女ゲーム『ピオフィオー レの晩鐘』の関連記事を通時的に分析する。これにより、各号に分散して定期的に開示される情報がキャラクター、 世界観、物語に関する作品理解を段階的に構成していく過程を明らかにする。

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